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判例・裁判例

スカンジナビア航空事件 東京地裁平成7年4月13日決定(変更解約告知)

この裁判例は、使用者の行った変更解約告知について、①労働条件変更の必要不可欠性、②労働条件変更の必要性が労働者の受ける不利益を上回っていること、③解雇回避努力義務を尽くしていることの3つの要件を満たしている場合には、新契約締結の申込みに応じない労働者を解雇することも適法となると判断しました。

東洋酸素事件 東京高裁昭和54年10月29日判決(整理解雇)

本裁判例は、企業運営上の必要性を理由とする使用者の解雇の自由は一定の制約を受けるとして、就業規則のやむを得ない事業の都合による解雇(整理解雇)に該当するか、客観的に合理的な理由があるかに帰するとして、①人員削減の必要性、②解雇理由の恣意性、③被解雇者選定の合理性を考慮事情とすると判断しました。

ブルームバーグ・エル・ピー事件 東京高裁平成25年4月24日判決(能力不足を理由とする解雇)

この判例は、職務能力の低下を理由とする解雇の「客観的に合理的な理由」について、労働者の職務能力の内容を検討した上で、当該職務能力の低下が労働契約の継続できない程に重大なものか、労働者に改善矯正を促し努力反省の機会を与えたのに改善されなかったか等の事情を総合考慮して決すべきであると判断しました。

高知放送事件 最高裁昭和52年1月31日第二小法廷判決(解雇権の濫用)

この判例は、従業員に解雇事由があるとしても、使用者は常に解雇し得るものではなく、当該具体的な事情のもとにおいて、解雇に処することが著しく不合理であり、社会通念上相当なものとして是認することができないときには、当該解雇の意思表示は、解雇権の濫用として無効になると判断しました。

専修大学事件 最高裁平成27年6月8日第二小法廷判(解雇制限と打切補償) 

この判例は、労災保険法による療養補償給を受ける労働者が、療養開始後3年を経過しても治らないため、使用者が平均賃金1200日相当額の打切補償を支払った場合には、労災保険法上の保険給付は労基法上の災害補償と実質的には同一であるため、労基法19条1項ただし書により、解雇制限は解除されると判断しました。

細谷服装事件 最高裁昭和35年3月11日第二小法廷判決(解雇予告義務違反)

この判例では、使用者が即時解雇に固執する趣旨でない限り、解雇通知後30日を経過した時点又は解雇通知後に所定の予告手当(30日分以上の平均賃金)を支払った時点で、解雇の効力が発生すると判断しました。その後の裁判例においても、解雇予告義務違反に係る多くの事案では、本判例が踏襲されています。

下関商業高校事件 最高裁昭和55年7月10日第一小法廷判決(退職勧奨)

この判例は、退職勧奨の適法性の基準は、被勧奨者が希望する立会人を認めたか否か、勧奨者の数、優遇措置の有無等を総合的に勘案し、全体として被勧奨者の自由な意思決定が妨げられる状況であったか否かで判断するべきとし、本件退職勧奨は、違法な退職勧奨にあたると判断しました。

大隈鐵工所事件 最高裁昭和62年9月18日第三小法廷判決(退職の意思表示)

この判例は、労働者の退職願に対する承認は、採用後の当該労働者の能力、人物、実績等について掌握し得る人事部長に退職承認についての利害得失を判断させ、単独でこれを決定する権限を与えることも、経験則上何ら不合理なことではない、と判断し、本件雇用契約について合意解約の成立を認めました。

日本アイ・ビー・エム事件 最高裁平成22年7月12日第二小法廷判決(会社分割と労働契約上の地位)

この判例は、労働契約承継のルールに沿った手続きが履践されなかった(5条協議の際に分割会社から説明や協議の内容が著しく不十分であったことなど)場合に、会社分割無効の訴えによることなく、承継対象となった労働者が自ら労働契約上の地位確認の訴えを提起して争う事ができることを認めたものです。

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