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判例・裁判例

東芝労働組合小向支部・東芝事件 最高裁平成19年2月2日第二小法廷判決(脱退の自由)

この判例は、脱退の効力そのものを生じさせないとする合意は、脱退の自由という重要な権利を奪い、組合の統制への永続的な服従を強いるものであるから、公序良俗に反し無効であると判断しました。組合員の組合選択の自由、脱退の自由を不当に制限することは許されないことを確認したものといえます。

三井倉庫港運事件 最高裁平成元年12月14日第一小法廷判決(ユニオン・ショップ協定) 

この判例は、ユニオン・ショップ協定によって憲法28条が保障する組合選択の自由を侵害することは許されないとし、他の組合に加入している者との関係では、同協定は公序(民法90条)に違反し無効と判断しました。

既に他組合に加入の組合員を同協定違反を理由に解雇することは無効となるので注意が必要です。

パナソニックプラズマディスプレイ(パスコ)事件 最高裁平成21年12月18日第二小法廷判決(労働者派遣法違反と黙示の労働契約)

この判例は、たとえ労働派遣法違反があったとしてもそのことを理由に直ちに派遣元との雇用関係が無効になることはないと判断し、その上で原告が主張していた派遣先との間で黙示の労働契約も成立していないと判断しました。

神戸弘陵学園事件 最高裁平成2年6月5日第三小法廷判決(有期契約と試用期間)

この判例は、期間設定の趣旨・目的が労働者の適正評価であるときは期間満了と同時に契約が終了する合意など特段の事情が認められない限り、その期間は試用期間と解するのが相当であり、解約権を行使(本採用の拒否)をするためには、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当といえることが必要となると判断しました。

日立メディコ事件 最高裁昭和61年12月4日第一小法廷判決(有期労働契約の更新拒否)

この判例は、臨時員は比較的簡易な採用手続で締結された短期的有期契約を前提とする以上、雇止めの効力を判断すべき基準は、いわゆる終身雇用の期待の下に期間の定めのない労働契約を締結している本工を解雇する場合とは合理的な差異があるため、当該臨時員の雇止めは適法であると判断しました。

ニヤクコーポレーション事件 大分地裁平成25年12月10日判決(パートタイム労働者・有期雇用労働者への差別的取扱い)

本裁判例は、正社員と準社員との間に職務内容や配置変更の内容が大きく異ならないにもかかわらず、賞与や週休日数、割増賃金の支払、退職金の支払いなどについて大きく待遇差を設けており、このような待遇差を設けることに合理的な理由はなく、右待遇差は違法であると判断しました。

ラクソン事件 東京地裁平成3年2月25日判決(転職と引抜き行為)

本判決は、単なる転職の勧誘は違法ではないとしつつ、引き抜き行為が社会的相当性を逸脱した行為に当たるかは、転職する従業員の会社に占める地位、会社内部における待遇及び人数、従業員の転職が会社に及ぼす影響、転職の勧誘に用いた方法等諸般の事情を総合考慮して判断するべきであるとしました。

あけぼのタクシー事件 最高裁昭和62年4月2日第一小法廷判決(解雇期間中の賃金と中間収入)

この判例は、無効な解雇期間中に労働者が得た中間収入の控除範囲が問題となり、使用者が労働者に対して有する解雇期間中の賃金支払債務のうち平均賃金の6割を超える部分から当該賃金の支給対象期間と時期的に対応する期間内に得た中間利益の額を控除することは許されると判断しました。

東海旅客鉄道事件 大阪地裁平成11年10月4日判決(私傷病休職と期間満了退職)

この裁判例は、労働契約において職種や職務内容が特定されていない労働者については、従前の職務を行える健康状態にないというだけではなく、現実的に配置可能な他の業務等の有無も検討して復職の可否を判断するべきであるため、使用者による私傷病休職期間満了による退職扱いとした措置は違法と判断しました。

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