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判例・裁判例

第一交通産業(佐野第一交通)事件 大阪高裁平成19年10月26日判決(法人格の濫用) 

この裁判例は、違法・不当な目的で子会社の解散決議がなされ、かつ、同社が偽装解散されたと認められる場合には、子会社従業員は、親会社による法人格の濫用の程度が顕著かつ明白であるとして、親会社へ継続的、包括的な雇用契約上の責任を追及できる、と判断しました。

東京日新学園事件 東京高裁平成17年7月13日判決(事業譲渡と労働契約上の地位)

この裁判例は、営業譲渡契約は、債権行為であって、営業の譲渡人と従業員との間の雇用契約関係を譲受人が承継するかどうかは、譲渡当事者間の合意により自由に定められるべきものであり、営業譲渡の性質として雇用契約関係が当然に譲受人に承継されることになるものと解することはできないと判断しました。

全日本空輸事件 東京地裁平成11年2月15日判決(起訴休職と権利濫用) 

この判決は、起訴休職命令が有効となるためには、職務の性質・公訴事実の内容・身柄拘束の有無など諸般の事情から、休職命令の内容と休職命令を受けた労働者の不利益の程度などを比較衡量することが必要であり、休職命令の措置が必要性・合理性を欠き、公序良俗違反や権利濫用に当たる場合には無効になると判断しました。

新日本製鐵(日鐵運輸第2)事件 最高裁平成15年4月18日第二小法廷判決(出向命令権) 

この判例は、就業規則や出向労働者の被る不利益等を考慮した規定から、個別の同意なく出向命令権が認められる場合でも、①業務上の必要性、②出向対象者の人選の合理性、③労働者の受ける不利益の程度、④出向命令発出までの手続の相当性の4点から、権利濫用に該当する場合にはその権利行使は無効になると判断しました。

東亜ペイント事件 最高裁昭和61年7月14日第二小法廷判決(配転命令権) 

この判例は、①配転命令に業務上の必要性が存在しない場合、②配転命令が不当な動機・目的をもってなされた場合、③労働者の通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合など、特段の事情が存在する場合でない限り、配転命令は権利濫用になるものではない、と判断しました。

アーク証券(本訴)事件 東京地裁平成12年1月31日判決(降格制度の合理性) 

この裁判例は、就業規則の変更により、降格又は減給を基礎付ける変動賃金制を導入した措置や諸手当を減額した措置は、実際に生じた不利益の程度は大きく、代償措置や経過措置がないこと、労使間の利益調整がされた結果としての合理的な内容と認められないことなどから、合理的を欠くと判断しました。

マナック事件 広島高裁平成13年5月23日判決(人事考課と裁量権の逸脱) 

使用者は、原則として、人事考課について広い裁量権があります。この裁判例は、非違行為等により賞与の査定が低くなった結果、査定部分の賞与額を減額することは問題ないが、昇格・賞与査定にあたって就業規則に定められた評定対象期間外の事由をその対象とした人事考課を行うことは裁量権の逸脱となると判断しました。

横浜ゴム事件 最高裁昭和45年7月28日第三小法廷判決(私生活上の非行) 

本判決は、深夜酩酊して他人の家に侵入し、住居侵入罪として罰金刑に処せられた従業員が懲戒解雇処分に処せられたもので、私生活上の非行であったことや、罰金2500円であったこと、職務上の地位が指導的なものでなかったことなどから懲戒解雇処分が無効と判断された判例です。

西日本鉄道事件 最高裁昭和43年8月2日第二小法廷判決(所持品検査の適法性) 

この判例は、所持品検査が適法であるといえるためには、検査を必要とする合理的理由に基づいていること、一般的に妥当な方法と程度で行われること、制度として画一的に実施されるものであることをあげた上で、これらの要件を満たす検査が就業規則その他明示の根拠に基づいて行われるものであれば労働者に受忍義務があると判断しました。

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