RKB毎日放送から取材

 当事務所の中川宗一郎弁護士(福岡県弁護士会所属)がRKB毎日放送から、「職場と家庭におけるハラスメント」について取材を受けました。
 取材の様子は、7月11日(月)午後3時40分からRKB毎日放送「タダイマ!」という番組の中で放映されました。
 今回の取材では、ハラスメントの具体的な事例を紹介し、その対応策として、企業が公益通報・内部通報の窓口を設けることで、重大な違法行為の抑止と早期発見が可能になり、企業価値の向上と業績の改善を図ることができることなどを紹介しました。 

2022年4月1日よりハラスメント対策が義務化

 2022年4月1日より、パワハラ防止法により、中小企業もハラスメント対策をすることが義務づけられます。そのため、中小企業の社長・担当者も、法令上必要なハラスメント対策について学んで、実践していく必要があります。

ハラスメントの意義と種類

 ハラスメントとは、一般的に、いじめ・嫌がらせを指しており、法律上対策が求められているものは、パワハラセクハラマタハラなどが中心ですが、カスハラ(カスタマーハラスメント)なども含まれてきます。
 その他、ハラスメントにはアカハラスクハラ(スクールハラスメント)、家庭におけるモラハラなどがあります。

ハラスメントがもたらす影響の大きさ

 職場における各種ハラスメントは、働く⼈が能⼒を⼗分に発揮することの妨げや貴重な人材の損失になるだけでなく、企業にとっても職場秩序の乱れや業務への支障が生じるなど、企業への信用・社会的評価を失うことになるため、その影響は大きなものとなります。
 また、家庭におけるハラスメント(モラハラやアカハラなど)についても、大切な家族や親族、友人からの信頼や愛情を失うなど、離婚や家庭の破綻につながるだけでなく、周囲からの信用・社会的評価も失うことになるため、その影響は大きなものとなります。

ハラスメントの具体的な予防・対策

 ハラスメント対策として具体的に何をしたらよいのでしょうか?
 ハラスメント対策をしようと思って厚労省のガイドライン(厚労省HP)をみても今ひとつ何をしたらいいかよくわからないという方も多いと思います。
 一例ではありますが、本稿では職場でのハラスメントに限定して予防・対策をご紹介します。

① 組織のトップがメッセージを出す

 企業のトップである代表者がその意思・決意として、ハラスメントを許さない旨を従業員らに向けて示すことで、組織としての方針を示すことになります。その結果、ハラスメントを受けた従業員らも、問題点の指摘や解消に関して発言がしやすくなるなど、ハラスメントを生まない環境・企業風土が作られるようになります。

② ルールを決める

 就業規則やその他の職場の服務規律等を定めた文書により、ハラスメントを行った者について、懲戒処分など罰則が科されることや、相談や通報を行った者について不利益な取扱いがされないことなどを規定しておくことも重要です。
 ルールを定めることで、ハラスメントを行うことのリスクなどを周知でき、ハラスメント発生の抑止力となるからです。
 
 ルールの内容は、従業員への周知が徹底されるよう、明確に具体的に規定し、周知の機会が担保されるよう、文書の配布や研修・説明会なども実施すると効果的です。

③ 実態を把握する

 ハラスメントの実態調査のために、アンケートを実施することも重要です。アンケート調査は、ハラスメントの有無や従業員の意識を把握することができるだけでなく、ハラスメントの話題が身近になるなど、従業員のハラスメントに対する意識や職場モラルの向上にもつながり、ひいてはハラスメントの予防にもなることが期待できるからです。

④ ハラスメント相談窓口の設置

 ハラスメント対策の中核になってくるのが、ハラスメント相談窓口の設置です。従業員が相談しやすい相談窓口を設置し、できるだけ初期の段階で気軽に相談できるしくみを作っておくことが重要です。
 相談しやすくするために、相談者の秘密が守られることや不利益な取扱いを受けないこと、相談窓口でどのような対応をするかを明確にしておきましょう。
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ハラスメントのない環境を目指して

 ハラスメントは、職場秩序や家庭環境への悪影響ばかりか、被害を受けた個人に対しては、うつ病やひいては自死など深刻な被害をもたらすことになり、しかもこれらの被害はしばしば不可逆的(以前と同じ状態には二度と回復しないこと)であることから、何よりも予防対策が重要となります。

 弁護士法人いかり法律事務所は、企業のハラスメント対策に力を入れており、中小企業・顧問先企業に向けた定期的な研修・セミナーを実施しております。また、企業向け外部相談窓口として、公益通報社外窓口サービスも実施しております。
 社外窓口サービスの設置など、ハラスメント対策について関心のある方は、お気軽に当事務所までご連絡・ご相談ください。

2022年4月1日より中小企業もハラスメント対策が義務づけられています。
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