ハラスメント相談窓口とは何か~パワハラ対策ガイドラインから~

 ハラスメント対策ガイドライン等は、相談窓口の設置を求めていますが、それはあくまでも会社の費用で運用されることが前提となっており、かつ、あくまで会社の一つの機関という位置づけになります。そのため、当該労働者から企業へ提供された情報については、会社が当該労働者との裁判などのトラブルにおいて利用しても構わないという位置づけになります。
 しかし、パワハラ対策法等は、当該労働者のプライバシー保護を求めていますので、当該労働者からの相談内容や通報内容の取扱いに当たっては、企業は利用していいいがその情報に触れる人員を限定するなどプライバシー保護を図る必要があるといえます。
 また、パワハラ対策法等は、当該労働者が相談や通報をしたことを理由とする不利益取り扱いを禁止しています。そのため一見すると当該労働者から提供された情報を当該労働者の不利益に利用することが禁止されていると勘違いをしそうになるのですが、それは違うと考えています。つまり、あくまでもパワハラ対策法等は、「相談や通報をしたこと」を理由とする不利益取り扱いを禁止しているのみであって、そこで提供された情報をどのように使うかまでは言及していませんので、当該労働者から提供された情報を当該労働者の不利益に利用することもできるのです。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12