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裁判例

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細谷服装事件 最高裁昭和35年3月11日第二小法廷判決(解雇予告義務違反)

この判例では、使用者が即時解雇に固執する趣旨でない限り、解雇通知後30日を経過した時点又は解雇通知後に所定の予告手当(30日分以上の平均賃金)を支払った時点で、解雇の効力が発生すると判断しました。その後の裁判例においても、解雇予告義務違反に係る多くの事案では、本判例が踏襲されています。

下関商業高校事件 最高裁昭和55年7月10日第一小法廷判決(退職勧奨)

この判例は、退職勧奨の適法性の基準は、被勧奨者が希望する立会人を認めたか否か、勧奨者の数、優遇措置の有無等を総合的に勘案し、全体として被勧奨者の自由な意思決定が妨げられる状況であったか否かで判断するべきとし、本件退職勧奨は、違法な退職勧奨にあたると判断しました。

大隈鐵工所事件 最高裁昭和62年9月18日第三小法廷判決(退職の意思表示)

この判例は、労働者の退職願に対する承認は、採用後の当該労働者の能力、人物、実績等について掌握し得る人事部長に退職承認についての利害得失を判断させ、単独でこれを決定する権限を与えることも、経験則上何ら不合理なことではない、と判断し、本件雇用契約について合意解約の成立を認めました。

日本アイ・ビー・エム事件 最高裁平成22年7月12日第二小法廷判決(会社分割と労働契約上の地位)

この判例は、労働契約承継のルールに沿った手続きが履践されなかった(5条協議の際に分割会社から説明や協議の内容が著しく不十分であったことなど)場合に、会社分割無効の訴えによることなく、承継対象となった労働者が自ら労働契約上の地位確認の訴えを提起して争う事ができることを認めたものです。

第一交通産業(佐野第一交通)事件 大阪高裁平成19年10月26日判決(法人格の濫用) 

この裁判例は、違法・不当な目的で子会社の解散決議がなされ、かつ、同社が偽装解散されたと認められる場合には、子会社従業員は、親会社による法人格の濫用の程度が顕著かつ明白であるとして、親会社へ継続的、包括的な雇用契約上の責任を追及できる、と判断しました。

東京日新学園事件 東京高裁平成17年7月13日判決(事業譲渡と労働契約上の地位)

この裁判例は、営業譲渡契約は、債権行為であって、営業の譲渡人と従業員との間の雇用契約関係を譲受人が承継するかどうかは、譲渡当事者間の合意により自由に定められるべきものであり、営業譲渡の性質として雇用契約関係が当然に譲受人に承継されることになるものと解することはできないと判断しました。

全日本空輸事件 東京地裁平成11年2月15日判決(起訴休職と権利濫用) 

この判決は、起訴休職命令が有効となるためには、職務の性質・公訴事実の内容・身柄拘束の有無など諸般の事情から、休職命令の内容と休職命令を受けた労働者の不利益の程度などを比較衡量することが必要であり、休職命令の措置が必要性・合理性を欠き、公序良俗違反や権利濫用に当たる場合には無効になると判断しました。

新日本製鐵(日鐵運輸第2)事件 最高裁平成15年4月18日第二小法廷判決(出向命令権) 

この判例は、就業規則や出向労働者の被る不利益等を考慮した規定から、個別の同意なく出向命令権が認められる場合でも、①業務上の必要性、②出向対象者の人選の合理性、③労働者の受ける不利益の程度、④出向命令発出までの手続の相当性の4点から、権利濫用に該当する場合にはその権利行使は無効になると判断しました。

東亜ペイント事件 最高裁昭和61年7月14日第二小法廷判決(配転命令権) 

この判例は、①配転命令に業務上の必要性が存在しない場合、②配転命令が不当な動機・目的をもってなされた場合、③労働者の通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合など、特段の事情が存在する場合でない限り、配転命令は権利濫用になるものではない、と判断しました。