朝日火災海上保険(高田)事件 最高裁平成8年3月26日第三小法廷判決(一般的拘束力)
本判例の意義は、労働協約による労働条件の不利益変更は、原則として、未組織労働組合員にも一般的拘束力が及ぶものの、未組織組合員の立場上、組合の意思決定に参加できないこと等から、未組織組合員への拡張適用が著しく不合理といえる特段の事情がある場合には、拡張適用を認めなかった点にあるといえます。
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本判例の意義は、労働協約による労働条件の不利益変更は、原則として、未組織労働組合員にも一般的拘束力が及ぶものの、未組織組合員の立場上、組合の意思決定に参加できないこと等から、未組織組合員への拡張適用が著しく不合理といえる特段の事情がある場合には、拡張適用を認めなかった点にあるといえます。
この判例は、労働協約による労働条件の不利益変更が認められるかは、不利益な労働協約が締結されるに至った経緯や当時の使用者の経営状況、当該労働協約の内容の合理性に照らして判断されるべきと判示しました。
この判例は、書面により作成され、かつ、両当事者がこれに署名し又は記名押印しない限り、仮に、労働組合と使用者との間に労働条件その他に関する合意が成立したとしても、これに労働協約としての規範的効力を付与することはできないと判断しました。
就業規則は、会社設立に際しては、定款須に次いで作成に着手するべき重要なルールですが、周囲の経済事情や会社内部の変容などに応じて、合理的かつ迅速に変更、修正を行わなければならないものでもあります。本稿では、就業規則の作成手続から就業規則の変更・不利益変更について、その運用とポイントをご紹介致します。
この判例は、労働組合又はその組合員が使用者の許諾を得ないで企業の物的施設を利用して組合活動を行うことは、これらの者に対しその利用を許さないことが権利の濫用であると認められるような特段の事情がある場合を除いては、使用者の管理権限等を侵するものであり正当な組合活動と認められないと判断しました。
この判例は、就業時間中に行った組合活動が職務専念義務に違背する行動に当たるかどうかは、使用者の業務や労働者の職務の性質・内容、当該行動の態様など諸般の事情を勘案して判断されることになると判示し、就業中の本件リボン着用による組合活動は正当な組合活動とはいえないと判断しました。
この判例は、脱退の効力そのものを生じさせないとする合意は、脱退の自由という重要な権利を奪い、組合の統制への永続的な服従を強いるものであるから、公序良俗に反し無効であると判断しました。組合員の組合選択の自由、脱退の自由を不当に制限することは許されないことを確認したものといえます。
この判例は、ユニオン・ショップ協定によって憲法28条が保障する組合選択の自由を侵害することは許されないとし、他の組合に加入している者との関係では、同協定は公序(民法90条)に違反し無効と判断しました。
既に他組合に加入の組合員を同協定違反を理由に解雇することは無効となるので注意が必要です。
団体交渉においては団体交渉における適切な判断と対応等が必要になります。弁護士に早期に相談し弁護士を活用しながら交渉を進めていくことが有益です。