ご依頼の概要

個人・台風により駐車場内に駐車していた車両の外装が一部損壊した事例

<依 頼 者> 50代 男性
<依頼内容> 台風被害
<争 点>  工作物の設置・保存の瑕疵と車両損害との因果関係
<態 様>
台風により駐輪場の屋根が破損し、飛散した破片により駐車場内に駐車していた依頼者の方が所有していた車両の外装及び車内の一部が損壊するという損害が発生
<結 果>   約24万円で和解成立

解決に至った経緯

1
相談から依頼まで

 台風により駐輪場の屋根が破損し、飛散した破片により駐輪場付近に駐車していた依頼者の方が所有していた車両のフロントバンパー等が破損する損害が発生しました。駐輪場は既に老朽化しており、駐輪場の占有者(以下「相手方」。)が駐輪場の管理を怠っていたとして、相手方に対して損害賠償をすべく相談にいらっしゃいました。

2
交渉

 損害発生時の同地の台風による最大風速は、駐輪場が通常有していなければならない基準値の半分程度の風速であったことや、50年以上もの長期間にわたり駐輪場の屋根の張替えはなされていなかったこと、相手方も老朽化を認識していながら修補を行わず放置していたことなどから、相手方には工作物責任があるとして損害賠償請求を行いました
 しかし、相手方は、台風による損害は不可抗力によるものであり、駐輪場の保存・管理に瑕疵はなかったとして、交渉当初より一貫して車両損害の責任を否定していました。そのため、訴外では和解に至らず、提訴することになりました

3
訴訟

 訴訟においても、本件台風による損害発生との因果関係が争点となりましたが、最終的には、相手方の定期点検はあるものの、本件駐輪場の劣化の程度、周囲の駐輪場の屋根等の被害は見られないこと、当該台風の最大風速の程度などからすれば、相手方が、本件駐輪場の屋根について、損害の発生を防止するのに必要な注意をしたと認めるのは困難であると判断されました。

4
解決(和解)

車両の時価額24万3000円で和解が成立しました。

車両の時価額約24万円で和解が成立

依頼者の声

依頼者の声 ★★★★★

 長い間ご尽力いただきありがとうございました。

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50代 男性
担当弁護士・事務からのコメント

 本件のように、台風等の自然災害によって発生した被害は、誰かに賠償責任を追及することが中々難しいのが実情です。
 しかしながら、民法上は「土地の工作物の設置または保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたとき」に、工作物の占有者は被害者に対してその損害を賠償する責任を負い、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならないと工作物責任について定めています。
 そのため、本件のように、占有者などの相手方に工作物の設置又は保存に瑕疵が認められる場合には損害賠償を請求することが出来る場合があります
 具体的にどのような場合に自然災害による被害の発生について損害賠償請求ができるかを専門家以外の方が判断するのは難しい場合があります。
 自然災害による損害賠償請求をご検討の方は、是非いかり法律事務所までご相談ください。

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弁護士法人いかり法律事務所  ご依頼を頂きありがとうございました。

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