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裁判例

茨城石炭商事事件 最高裁昭和51年7月8日第一小法廷判決

この判決は、使用者がその事業の執行につきなされた被用者の加害行為により、直接損害を被り又は使用者としての損害賠償責任を被った場合には、使用者は、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度において被用者に対し損害の賠償又は求償の請求ができると判断しました。

オリンパス光学工業事件 最高裁平成15年4月22日第三小法廷判決

この判決は、平成16年特許法改正以前、「相当の対価」について、職務発明規程に従って職務発明の承継が行われ、従業者に補償金が支払われた場合であっても、当該支払が「相当の対価」に満たない場合には、その不足分を請求することができると判断しました。

日新製鋼事件 最高裁平成2年11月26日第二小法廷判決

この判決は,使用者と労働者の合意による相殺の有効性については,労働者の自由な意思に基づいてなされたものであると認めるに足りる合理的理由が客観的に存在するときは労働基準法24条1項の全額払いの原則に反しないと判断しました。

日本システム開発研究所事件 東京高裁平成20年4月9日判決

この判決は,使用者から労働者に対し,前年度の業績評価に基づく年俸額を提示して交渉を行う場合,労働者としてその提示額に応ずるかは自由であり,合意が成立しない場合には,前年度の年俸額をもって,次年度の年俸額とすると判断しました。

小田急電鉄(退職金請求)事件 東京高裁平成15年12月11日判決 

この判決は,度重なる電車内での痴漢行為により度々罰金刑に処されており,会社からも昇給停止・降職の処分を受けていたにもかかわらず,再び痴漢行為を行って懲役4月執行猶予3年に処された従業員に対する懲戒解雇を有効と判断しました。

松下電器産業事件 大阪高裁平成18年11月28日判決(年金減額)

近時、年金制度を巡って、企業における年金財政の悪化や厚生年金基金の解散など年金制度の給付額の減額・廃止の問題が顕在化しています。この判決は、自社年金について争われた裁判例であり、年金規定の解釈として、給付率引き下げの必要性、内容の合理性、手続の相当性から年金給付率の減額を認めました。

三菱重工長崎造船所事件 最高裁平成12年3月9日第一小法廷判決(労働時間)

この判決は、「労働時間」とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、労働時間に該当するかは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていたかが判断基準であるとしました。労働時間の判断にあたり、使用者の関与の程度や業務性が強度であれば使用者の関与が希薄であっても労働時間性が認められます。

大星ビル管理事件 最高裁平成14年2月28日第一小法廷判決(労働時間と仮眠時間)

この判決は、不活動仮眠時間が労基法上の労働時間に該当するかそれとも休憩時間かは、労働者が不活動仮眠時間において使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるかにより客観的に定まり、不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合は労基法上の労働時間にあたると判断しました。

JR西日本(広島支社)事件 広島高裁平成14年6月25日判決

この判決は、一旦特定された労働時間の変更は原則として許されないが、予定した業務の大幅な変動等の例外的限定的な事由に基づく変更は許される。その場合、変更の予測が可能な程度に具体的事由を定めておく必要があると判断しました。

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