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判例

オリンパス光学工業事件 最高裁平成15年4月22日第三小法廷判決

この判決は、平成16年特許法改正以前、「相当の対価」について、職務発明規程に従って職務発明の承継が行われ、従業者に補償金が支払われた場合であっても、当該支払が「相当の対価」に満たない場合には、その不足分を請求することができると判断しました。

日新製鋼事件 最高裁平成2年11月26日第二小法廷判決

この判決は,使用者と労働者の合意による相殺の有効性については,労働者の自由な意思に基づいてなされたものであると認めるに足りる合理的理由が客観的に存在するときは労働基準法24条1項の全額払いの原則に反しないと判断しました。

松下電器産業事件 大阪高裁平成18年11月28日判決(年金減額)

近時、年金制度を巡って、企業における年金財政の悪化や厚生年金基金の解散など年金制度の給付額の減額・廃止の問題が顕在化しています。この判決は、自社年金について争われた裁判例であり、年金規定の解釈として、給付率引き下げの必要性、内容の合理性、手続の相当性から年金給付率の減額を認めました。

三菱重工長崎造船所事件 最高裁平成12年3月9日第一小法廷判決(労働時間)

この判決は、「労働時間」とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、労働時間に該当するかは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれていたかが判断基準であるとしました。労働時間の判断にあたり、使用者の関与の程度や業務性が強度であれば使用者の関与が希薄であっても労働時間性が認められます。

大星ビル管理事件 最高裁平成14年2月28日第一小法廷判決(労働時間と仮眠時間)

この判決は、不活動仮眠時間が労基法上の労働時間に該当するかそれとも休憩時間かは、労働者が不活動仮眠時間において使用者の指揮命令下に置かれていたものと評価することができるかにより客観的に定まり、不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合は労基法上の労働時間にあたると判断しました。

JR西日本(広島支社)事件 広島高裁平成14年6月25日判決

この判決は、一旦特定された労働時間の変更は原則として許されないが、予定した業務の大幅な変動等の例外的限定的な事由に基づく変更は許される。その場合、変更の予測が可能な程度に具体的事由を定めておく必要があると判断しました。

日立製作所武蔵工場事件 最高裁平成3年11月28日第一小法廷判決

この判決は、就業規則における時間外労働義務を定める規定の内容が合理的なものである限り、それが具体的労働契約の内容をなすから、労働者はそれに従って時間外労働義務を負うと判断しました。

トーコロ事件 最高裁平成13年6月22日第二小法廷判決 

この判決は、三六協定を締結する際に、役員も加入する会社の親睦団体の代表者を自動的に労働者側の当事者となる「過半数代表者」として選出する方法は適法ではないとし、親睦団体の代表者が自動的に過半数代表者となって使用者と締結した三六協定に基づく時間外労働の効力を否定しました。

高知県観光事件 最高裁平成6年6月13日第二小法廷判決(基本給と割増賃金の判別) 

この判決は、タクシー乗務員の歩合給について、当該歩合給が時間外及び深夜の労働を行った場合においても増額されるものでもなく、通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外及び深夜の割増賃金に当たる部分とを判別することもできないものであったことを理由として、当該歩合給が労働基準法37条所定の割増賃金として支払われたものとは認められないと判断しました。

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