トナミ運輸事件 富山地裁平成17年2月23日判決(内部告発の正当性)
この裁判例は、内部告発の正当性は、内容の真実性、告発の目的、内部告発の当該組織にとっての重要性、手段・態様の相当性という4要素の総合考慮により判断されるものであり、本件内部告発は、正当な行為として法的保護に値し、内部告発者への不利益な取扱いは違法であり許されないとしました。
この裁判例は、内部告発の正当性は、内容の真実性、告発の目的、内部告発の当該組織にとっての重要性、手段・態様の相当性という4要素の総合考慮により判断されるものであり、本件内部告発は、正当な行為として法的保護に値し、内部告発者への不利益な取扱いは違法であり許されないとしました。
この判決は、企業内政治活動は、施設管理権を妨げ、従業員間の対立をもたらすなど企業秩序を乱すおそれがあるとして、就業規則による一般的規制を有効としつつ、企業秩序を乱すおそれのない特別の事情がある場合には、就業規則違反とならないと判断しました。
この判決は、採用時に学歴、職歴や犯罪歴等の経歴を偽る経歴詐称は、一般的には、使用者と労働者間の信頼関係を破壊し、労働力の評価を誤らせて、人事異動等に関する秩序を乱すものであるため、詐称された経歴が、最終学歴や職歴等、重要なものであることを前提として、経歴詐称は懲戒事由に該当すると判断しました。
この裁判例は、契約期間の定めの有無・定年制の有無についても賃金・退職金と同様重要な労働条件の変更に当たるとして慎重な合意認定を行う必要があると判断しました。具体的には、労働者が自由な意思に基づいてされたと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するかという観点から判断することが必要となります。
令和2年10月13日,同月15日に出された計5件の同一労働同一賃金についての最高裁判例について解説します。また,これらを踏まえた制度設計についても解説します。
この判例は、労働者の暴行事件から7年以上経過した後にされた諭旨退職処分は、処分時点において、企業秩序維持の観点からそのような重い懲戒処分を必要とする客観的かつ合理的な理由を欠き、社会通念上相当なものとして是認することはできないと判断しました。
この判例は、使用者が労働者に対して行う懲戒は、労働者の企業秩序違反行為を理由として、一種の制裁罰を課するものであるから、具体的な懲戒の適否は、その理由とされた非違行為との関係において判断されるべきとしました。
この判例は、労働者の私生活上の行為であっても、それが企業の円滑な運営に支障を来すおそれがあるなど企業秩序に関係を有する場合には懲戒事由となると判断したものです。
この判例は、保険金が年金で支給される場合、既に支給された分及び支給が確定した分のみ賠償額から控除が認められ、将来支給分は控除が認められないと判断しました。