三菱重工長崎造船所事件 最高裁平成4年9月25日第二小法廷判決(政治スト)
この判例は、使用者に対する経済的地位の向上の要請とは直接関係のない政治目的のために争議行為を行うことは憲法28条の保障とは無関係なものであり正当性は認められないと判断しました。政治ストが目的において争議行為として正当性が認められないと判断した点に本判決の意義があるものといえます。
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この判例は、使用者に対する経済的地位の向上の要請とは直接関係のない政治目的のために争議行為を行うことは憲法28条の保障とは無関係なものであり正当性は認められないと判断しました。政治ストが目的において争議行為として正当性が認められないと判断した点に本判決の意義があるものといえます。
この判例は、労働組合又はその組合員が使用者の許諾を得ないで企業の物的施設を利用して組合活動を行うことは、これらの者に対しその利用を許さないことが権利の濫用であると認められるような特段の事情がある場合を除いては、使用者の管理権限等を侵するものであり正当な組合活動と認められないと判断しました。
この判例は、就業時間中に行った組合活動が職務専念義務に違背する行動に当たるかどうかは、使用者の業務や労働者の職務の性質・内容、当該行動の態様など諸般の事情を勘案して判断されることになると判示し、就業中の本件リボン着用による組合活動は正当な組合活動とはいえないと判断しました。
この判例は、労働協約の形式により締結された場合であっても、当然に使用者がチェック・オフをする権限を取得するものではないことはもとより、組合員がチェック・オフを受忍すべき義務を負うものではなく、組合員はいつでもチェック・オフの中止を申し入れることができると判断しました。
この判例は、具体的な組合活動の内容・性質、これについて組合員に求められる協力の内容・程度・態様等を比較衡量し、多数決原理に基づく組合活動の実効性と組合員個人の基本的利益の調和という観点から、臨時組合費の納入義務は広く認められると判断しました。