内容証明郵便とは?

 内容証明郵便とは、一般書留郵便物の内容文書(受取人へ送達する文書)を証明するもので、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかを、差出人が作成した謄本(内容文書を謄写した書面をいい、差出人および差出郵便局において保管するもの)によって日本郵便株式会社が証明するものをいいます。

 内容証明のみでは、相手が受け取ったことは証明できないため、相手が受け取ったことを証明するためには、別途配達証明」を付加する必要があります。
 なお、日本郵便株式会社が証明するものは内容文書の存在であり、文書の内容が真実であるかを証明するものではありません。

どのように利用するのか?

 内容証明郵便には、窓口で行うほか、電子内容証明(e内容証明)郵便というオンラインにより24時間発送できる内容証明郵便があります。
 文書データを送信すれば、自動的に処理されるため、郵便窓口へ出向く必要はありません。法律事務所では、一般的に、この電子内容証明郵便を利用して連絡等をとっています。

1.窓口での利用

 内容証明郵便を利用する場合には、差出郵便局の郵便窓口に以下の①~④のものを準備・提出する必要があります。差出郵便局は、集配郵便局および支社が指定した郵便局に限られます。すべての郵便局において差し出すことができるものではないので注意が必要です。

① 内容文書(受取人へ送付するもの)
② ①の謄本2通(差出人および郵便局が各1通ずつ保存するもの)
③ 差出人および受取人の住所氏名を記載した封筒
④ 内容証明の加算料金を含む郵便料金

 ①の内容文書および②の謄本ともに市販の内容証明用紙以外の用紙を使用しても作成することができますが、謄本には字数・行数の制限があるので注意が必要です。

2.電子内容証明として利用

 電子内容証明(e内容証明)郵便は、「かんたん差出し」「差出し」「差込差出し」と用途に合わせた差出方法が選択できます。「かんたん差出し」は差出人が1人で、受取人1人の場合に利用されます。一般的に、法律事務所ではこの「かんたん差出し」により差出を行います。
 なお、「差出し」及び「差込差出し」は複数のe内容証明文書をまとめて差し出す場合に用いられています。

電子内容証明郵便の差出しは以下の手順で行われます。 
① Webゆうびんの専用Webサイトにログインする(利用登録料無料)。
② Word(所定の様式のもの)で作成した内容証明文書をアップロードし、差出人及び宛先を入力する。
③ クレジットカード又は料金後納で支払いを行う。

内容証明郵便の費用は?

 窓口での内容証明郵便の料金は、1通あたり(1,560文字:3枚)1,650円となります。電子内容証明ですと、1通あたり(~1,584文字:1枚)1,295円となり、窓口利用の場合よりも、355円のお得となります。

 電子内容証明郵便を利用すれば封筒や印刷も不要となるため、窓口での利用よりもコストが削減できます。また、メリットは費用の面だけでなく、郵便局の窓口に行く手間がなくなることや内容証明文書を外へ持ち出す必要がないためセキュリティ面も安心です。

 このように、費用や時間、セキュリティなどの面で電子内容証明郵便の方が優れているため、法律文書のやり取りを行う法律事務所では、この電子内容証明郵便を利用して相手当事者とやり取りをするのが一般的となっています。

内容証明にはどのような効力があるのか?

内容証明郵便には一例として以下の効力が認められます。

確定日付の付与
②法律効果の発生に必要な意思表示が行える
③受取人への心理的な圧力を期待できる

 ①については、内容証明郵便が受付されると、その日の時点で内容証明文書が存在していたことを証明するものとして確定日付の受付印が押印されます。その結果、受付の時点で内容証明文書が存在していたことが確定日付により証明される、という効力が認められることになります。

 ②については、債務の履行の請求や債権譲渡、時効の更新・援用、契約の解除・取消など内容証明郵便を利用して法律効果の発生に必要な意思表示を行うことができます。内容証明郵便を利用する最も重要な効果は、この法律効果の発生要件である意思表示を行うことにあります

 ③については、内容証明郵便の副次的効果ですが、内容証明郵便は偽造防止加工が施された用紙で出来ていることから、通常の手紙ではないことが明らかです。そのため、受取人も必然的に文書の内容を注視する傾向が強くなります。

弁護士に依頼すると?

1.代理人として相手と交渉を行う

 弁護士は受任後、相手方と交渉を行うことになりますが、交渉では電話等口頭でのやり取りよりも、証拠として残す必要があることから文書でのやり取りが一般的となります。弁護士は、依頼者が相手方に何を伝えたいかを文章化し、どうすれば一番こちらの望む回答を得ることができるのかを考えて書面を作成します。

 その際、法的根拠を示すことは重要な部分となるため、事実関係のヒアリングや調査、請求内容を基礎付ける証拠の収集を入念に行うことになります。
 なお、証拠の収集や事実関係の調査・確認のために時間や手間がかかる場合には、一先ず受任通知書だけを相手に送付することもあります。

 そしてこの際利用することが多いのが内容証明郵便となります。内容証明郵便は受任後はじめて相手に送付する文書として利用されることが多く、その後は普通郵便やFAXなどでやり取りをすることになります。

2 内容証明郵便の作成・発送のみの依頼も可能

 内容証明郵便の作成・発送のみ弁護士に依頼することもできます
 内容証明郵便のみの作成・発送であっても、先に述べた内容証明郵便の効力に加え、弁護士が作成する文書は法律効果の発生に必要な法律要件を漏れなく記載した正確な法律文書であるため、普通郵便による通常の手紙や請求書類とは異なり高い証拠能力が認められます。

 実際、弁護士が内容証明文書を送付しただけで事件が解決することも少なくありません。交渉や訴訟追行まで依頼するよりもコスパが良く、依頼者のニーズも大きいため、多くの法律事務所では、内容証明郵便のみの依頼も受けているようです。

福岡の弁護士法人いかり法律事務所へ

 普通郵便で手紙や請求書を送付するより、弁護士が作成した法律文書を内容証明郵便で発送することにより、一定の法律効果の発生や受取人への心理的な強制力など大きな効果を期待することができます。 
 福岡市にある弁護士法人いかり法律事務所では内容証明郵便のみのご依頼も積極的に承っています。内容証明郵便に関するサービスについて気になることがありましたら、まずは福岡の弁護士法人いかり法律事務所までご相談下さい。