神戸弘陵学園事件 最高裁平成2年6月5日第三小法廷判決(有期契約と試用期間)
この判例は、期間設定の趣旨・目的が労働者の適正評価であるときは期間満了と同時に契約が終了する合意など特段の事情が認められない限り、その期間は試用期間と解するのが相当であり、解約権を行使(本採用の拒否)をするためには、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当といえることが必要となると判断しました。
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この判例は、期間設定の趣旨・目的が労働者の適正評価であるときは期間満了と同時に契約が終了する合意など特段の事情が認められない限り、その期間は試用期間と解するのが相当であり、解約権を行使(本採用の拒否)をするためには、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当といえることが必要となると判断しました。
この判例は、臨時員は比較的簡易な採用手続で締結された短期的有期契約を前提とする以上、雇止めの効力を判断すべき基準は、いわゆる終身雇用の期待の下に期間の定めのない労働契約を締結している本工を解雇する場合とは合理的な差異があるため、当該臨時員の雇止めは適法であると判断しました。
この判例は、無効な解雇期間中に労働者が得た中間収入の控除範囲が問題となり、使用者が労働者に対して有する解雇期間中の賃金支払債務のうち平均賃金の6割を超える部分から当該賃金の支給対象期間と時期的に対応する期間内に得た中間利益の額を控除することは許されると判断しました。
有期雇用契約の更新を繰り返している場合、必ずしも期間満了により契約が終了するわけではなく雇止めの適法性が問題となる場合があります。雇止めの適法性に関する事実認定は高度の法律判断が必要となります。雇止め等労務問題について気になることがあれば、まずは無料法律相談をご利用の上、お気軽にご相談下さい。
就業状況が不良であることを理由に解雇した元従業員から、解雇無効及び就業を続けていた場合受け取れるはずであった給与の支払いを求める書面が届いたことから、いかり法律事務所へ相談に来られました。元従業員の職場復帰を希望されていなかったことから、未払割増賃金の一定額を含む解決金を支払うことで解決した事例。
この裁判例は、使用者の行った変更解約告知について、①労働条件変更の必要不可欠性、②労働条件変更の必要性が労働者の受ける不利益を上回っていること、③解雇回避努力義務を尽くしていることの3つの要件を満たしている場合には、新契約締結の申込みに応じない労働者を解雇することも適法となると判断しました。
この判例は、職務能力の低下を理由とする解雇の「客観的に合理的な理由」について、労働者の職務能力の内容を検討した上で、当該職務能力の低下が労働契約の継続できない程に重大なものか、労働者に改善矯正を促し努力反省の機会を与えたのに改善されなかったか等の事情を総合考慮して決すべきであると判断しました。
この判例は、従業員に解雇事由があるとしても、使用者は常に解雇し得るものではなく、当該具体的な事情のもとにおいて、解雇に処することが著しく不合理であり、社会通念上相当なものとして是認することができないときには、当該解雇の意思表示は、解雇権の濫用として無効になると判断しました。
本稿は、 会社経営者が、退職した元社員から、退職に至ったのは違法な解雇によるものであり、この解雇は無効であるとして、雇用契約上の地位の確認と解雇時から現在までの未払賃金の支払い請求をされた事案で、のちに労働審判が申し立てられ、退職金160万円で調停が成立した事例です。