【離婚を検討するにあたって】
離婚を検討する場合,第1段階として離婚するかしないか,第2段階として離婚条件をどうするのかに分けて検討する必要があります。第2段階の離婚条件については,子供のこととお金のことを分けて検討する必要があります。今回は,第1段階のレベルについてご紹介致します。

【離婚の可否】
 当事者双方が離婚に合意する場合は,離婚の理由は問題になりません。協議離婚や調停離婚により,離婚が可能です。もっとも,相手がどうしても離婚に合意しない場合には,裁判により,法律で定められた離婚原因(法定離婚原因といいます。)の認定が必要になります。民法770条には5つの法定離婚原因が定められていますが,実務上,最も多く適用されるのは,5号の「その他,婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」です。「継続し難い重大な事由」とは,夫婦の婚姻関係が破綻し回復の見込みがないことをいいます。

【婚姻関係が破綻しているか】
 婚姻関係が破綻しているか否かの判断基準として,結婚中の当事者双方の行動や態度,子供の有無やその年齢,婚姻継続の意思,当事者の年齢,健康状態,資産状況,性格などが挙げられます。では,「性格の不一致」は,上記基準に照らして,「継続し難い事由」に当たるでしょうか。「性格の不一致」を主張する場合には,そこに至った経緯(別居や喧嘩など)を具体的に主張・立証する必要があります。そのため,「性格の不一致」を主張するだけでは,「継続し難い重大な事由」とは認定され難いものといえます。

【離婚を請求する側に責任がある場合】
 相手が離婚を拒絶しており離婚を請求する側に責任がある場合,有責者から離婚するためには,約5~7年間の別居期間及びそれなりの金銭給付が必要となります。過去の判例で妻以外の女性と同棲関係にある有責配偶者からの離婚請求に対し,①夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及んでいること,②その間に未成熟の子が存在しないこと,③相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態に置かれる等,離婚を認容することが著しく正義に反するといえるような特段の事情が認められないことの要件のもと請求は認められると判断されています(最判昭和62年9月2日判時1243号3頁,同居期間12年,別居期間36年,夫74歳,妻70歳)。
 もっとも,現在では,有責配偶者からの離婚請求であっても,証拠調べの結果,破綻の程度が大きければ,裁判官が和解離婚を勧める又は慰謝料等の離婚給付を多額にすることと引換えに離婚を命じる傾向があるようです。

【まとめ】
 婚姻関係が破綻しているかどうかは,その判断基準に多様な要素が含まれているため,離婚を検討している方ご自身ではなかなか判断が難しいのではないかと思われます。離婚の決断は,当事者の今後の人生に大きな影響を与えるだけでなく,子供や親,兄弟等周囲の人々にも多かれ少なかれ影響を与えるものです。離婚を検討している方は,ご自身だけで判断することなく,一つの判断材料として,弁護士の意見も聞いてみてはいかがでしょうか。